中小企業・小規模事業者のみなさまの成功を間近で。

褒めて人を育てること

コールセンター業界に長く関わっていますと、運営方法や育成方法も様々な変遷を遂げています。

横文字ばかりで恐縮ですが、従業員の育成指導方法においても
  • ティーチング
  • カウンセリング
  • コーチング
  • メンタリング
と様々あります。その他にも様々あるようです。
どれもいいところがありますので、TPOにあわせて使い分けるのがいいのかなと思っています。

ここでは、
  • 厳しく育成するか?
  • 褒めて伸ばすか?
といった簡単な括りで説明できればと思います。



コールセンターの役割が、単純応答業務がメインだった時は、コールセンターの運営(オペレーション)は、コールセンターにかかってきた電話をいかにして早く処理するかに重点がおかれていました。
さらに申せば、対応はカタログやチラシ、取扱説明書で十分で、人による対応は極力なくそうという考え方でした。
商品の普及段階では、販社が地域に数多く分散配置されていて、販売会社がお問い合わせや顧客の質問などの対応を任せ、コールセンターなどは必要ないと言った考え方も多かったですね。

その頃の企業の考え方は、製品指向(プロダクトアウト)であり、商品(製品やサービス)が画一的なもので、訴求の方法も、マスメディアなどを上手に使い、露出を大量に行い、販売していくことが一般的でした。
当時先進的な考えを持った企業においては、コールセンターを準備するところもありましたが、それでもコールセンターのオペレーションは、画一的な商品を取り扱う以上、画一的な対応が中心であったと思います。

次第に時間が経ち、商品の認知や普及率が高まると、商品提供者は、機能を増やしていくことで競合他社と差別化していくのですが、それによって、対応も複雑化していった事を記憶していますが、基本的な「いかにして時間をかけず処理していくか」は大きく変わらずに、複雑になった機能の説明も、いかに手短に素早く対応していくかということに重点がおかれていました。
手短に素早く出来たとしても、かかってくるお問い合わせなどの電話が多ければ、負担は増します。

お客様が一つのお問い合わせに納得のいく、対応時間を仮に10分とした場合、当時の企業は5分に出来ないか、3分に出来ないかと考えたわけですが、市場普及率が高まり、利用者が増えれば、母数自体が増え、折角お客様の満足を顧みず3分の1にした処理方法が、かかってくる電話の件数が10倍になったために却って手間と負担が増えてしまった。
そこで、コールセンター側が考えた方法が、対応する人数(厳密には電話の回線数)を減らした(これにより繋がらない、たらい回しという現象が日常的に…)わけですが、この頃までは、電話のオペレータはいかに素早く正確に処理するかに重点がおかれていましたので、従業者の育成は、ティーチングなるものが主流で、どちらかと言うと厳しく管理し、指導していました。

その後、商品の普及が完全に進み、消費者の嗜好も多様になり、企業は製品指向から市場指向(マーケットイン)に移行しましたが、コールセンターの役割や対応の中身から思い起こすと、「市場に訊け!」と言いつつもウエイトは商品にあったような気がします。



それが劇的に変わりだしたのは、いよいよものが売れなくなり、海外からそこそこの機能と性能のものが安価に日本市場に流れだしたころです。
この頃叫ばれたものが、顧客指向(カスタマイン)という言葉で、それが現在に至っています。

コールセンターの役割もがらっと変わりだし、同じような頃に出てきた「顧客満足度経営」で、ありきたりの対応から、お客様に満足を与えるようなオペレーションを!という考え方になってきました。

この頃から、いかに素早く且つ正確に処理するだけの対応ではだめになり、どうしたらお客様が満足していただくかを企業は考えるようになってきました。

この時点では、顧客満足の考え方がまだまだ曖昧で、「待たせない」とか「電話のつながりやすさ」とかが中心で、肝心のコミュニケーションの中身までは至っていなかったような気がしています。
つまり、先に述べた、減らした電話回線やオペレータを増やすことが改善の中心で、加えて同時並行的にナレッジマネジメントなる経営手法も顧客満足度経営と同じ時期に流行り始め、複雑な質問に対しては、FAQ(よくありがちな質問に対する回答群)を準備し、たらい回しせず、難解なお問い合わせ対応にも効率よくオペレーション出来るようにシステム化されていきました。

ただ、根幹的なオペレータの対応については、従来の方式が、まだそのまま適用され、従って、人材の育成は伝統的なものであり、一部の先進的な考えを持った通信販売事業者がコーチングという手法を育成現場に採用したところはありましたが、概ね、厳しく指導するスタイルを踏襲していたかと思います。

この伝統的な育成手法が踏襲された背景には、商品自体に主だったイノベーションがあったわけではなく、つまり商品はさほど変わらず、配送日の短縮など商品提供の仕方や割引やポイントの付与など価格変更にとどまったためと個人的には思っています。




オペレータの育成現場が、本格的に変わっていくのは、この後で、商品自体に大きな変更が施され、限りなくイノベーションしようと挑戦し始めた、ごく最近のようです。

ここ二、三年から現状の商品と商品に基づいた付帯サービスではいよいよ差別化出来ず、つまり価値創造が困難と気がついてから、こぞって企業は「顧客体験価値」という言葉を持ち出し、多種多様な嗜好やご要望をもった顧客に対して、お客様が期待する以上の満足を与えようと、お客様個々に考えるようになっていきました。
この時点で、オペレーション目標のウエイトが、素早い且つ正確な処理から真のお客様満足の向上・顧客体験価値創造にシフトされ、オペレータが企業のミッションや理念に基づいて、個々に各自の判断で、コミュニケーションをとれるよう育成現場が変わってきました。

いろんな価値観と嗜好やニーズを持ったお客様に対応していかないといけなくなった現在は、同じような対応処理やコミュニケーションでは競合他社に確実な勝利を約束するものではありません。
言い換えると、コミュニケーションセオリーがなくなったとも言え、これをやっておけば大丈夫というものがなくなりつつあるということでもあります。

最近の企業のコールセンターの中には、各オペレータには、企業のミッションやビジョンを理解し共有することを条件に、ある程度の枠内で自由な発想と裁量を与えていこうとする流れがでてきました。
この実現のために、厳しさを中心とした育成方法では限界を感じはじめている企業が一部に出始めており、褒めて人を育ていくことで、自由な発想と機転の効いた対応を少しでも期待できる環境を模索しだしているところもあります。

当社においても、育成現場が同じように明らかに変わってきています。
私自身も、可能な限り、感情的・情緒的にならず、可能な限り褒めて、自由な発想と臨機応変な対応を阻害しないように、かなり接し方が変わってきています。
この流れは、未だ過渡期であり、今後も続くのではないかと感じています。



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